核心概念
測光赤方偏移推定において、完全結合ニューラルネットワーク(FCN)は従来の決定木回帰モデルよりも優れた精度を実現する。
要約
測光赤方偏移推定のためのディープラーニングアプローチ:決定木回帰モデルとの比較
本論文は、天体の赤方偏移を推定するための新しい計算手法として、完全結合ニューラルネットワーク(FCN)の有効性を検証している。従来の分光観測を用いた赤方偏移測定は、コストと時間がかかるという課題があった。そこで、近年では、複数のフィルターで観測された天体の等級データから赤方偏移を推定する測光赤方偏移推定が注目されている。
本研究では、Sloan Digital Sky Survey (SDSS) のデータセットを用いて、FCNと決定木回帰モデルの2つの手法による測光赤方偏移推定の精度を比較した。その結果、FCNは決定木回帰モデルよりもRMSEが小さく、より正確な赤方偏移推定が可能であることが示された。
データセット:SDSSの50,000個の天体データ(u, g, r, i, zの5つのバンドの等級データと、分光観測から得られた赤方偏移のラベルデータ)
データの前処理:3σクリッピングによる外れ値の除去、赤方偏移が0未満のデータの除去
モデル:決定木回帰モデル、FCN
評価指標:RMSE