核心概念
内因性注意は、サッカードプランが注意の焦点と反対方向にある場合でも、サッカードの開始を促進する。
要約
研究論文要約
書誌情報: Salinas, E., Goldstein, S. H., & Stanford, T. R. (2023). Coupling of saccade plans to endogenous attention during urgent choices. Journal of Neurophysiology, 130(2), 571–586. https://doi.org/10.1152/jn.00114.2023
研究目的: 本研究では、空間内の特定の場所への注意の自発的な割り当てが、対応するサッカードプランの活性化を必然的に伴うのかどうかを調査した。
方法: 参加者は、周辺視野に提示された手がかりの色に応じて、その手がかりを見るか(プロサッカード)、または反対側にある無関係な非手がかり刺激を見るか(アンチサッカード)を指示された。刺激の輝度を変化させることで、外因性注意の寄与を、時間経過に伴う選択を導く内因性プロセスから明確に分離することができた。
主な結果:
- 正しいアンチサッカードの生成には、同じ知覚信号に基づく正しいプロサッカードの生成よりも約30ミリ秒長い処理時間が必要であることが、測定された時間経過から示された。
- 参加者は、手がかりと反対側の非手がかりに視覚的に注意を向けるように求められた場合でも、手がかりに向かって素早く推測する傾向があった。
結論:
- 固視中に練り上げられたサッカードプランは、内因性注意が向けられる場所に偏っている。
- この結合は弱く、非常に迅速に意図的に覆すことができる。
- 内因性注意はサッカードプランに影響を与えるが、その逆は弱く、信頼できない。
意義: 本研究は、内因性注意とサッカードプランニングの相互作用に関する新たな知見を提供するものであり、注意と眼球運動の神経基盤を理解する上で重要な意味を持つ。
限界と今後の研究:
- 本研究では、注意と眼球運動の制御に関与する特定の神経回路を直接調査していない。
- 今後の研究では、これらの知見の神経基盤を探求し、他のタイプの眼球運動や注意の移動にどのように一般化されるかを調査する必要がある。
統計
正しいアンチサッカードの生成には、同じ知覚信号に基づく正しいプロサッカードの生成よりも約30ミリ秒長い処理時間が必要であった。
18人中15人の参加者が、非手がかりよりも手がかりに向かって推測する傾向を示した。
参加者が手がかりに向かって推測した場合、アンチサッカードの処理時間コストは平均27ミリ秒であった。
引用
"The results indicate that saccade plans elaborated during fixation are biased toward the location where attention is endogenously deployed, but the coupling is weak and can be willfully overridden very rapidly."
"These results indicate that the rPT cost of an endogenously guided antisaccade relative to an endogenously guided prosaccade is about 25–35 ms, and support the hypothesis that saccade plans are, to a degree, obligatorily coupled to endogenous attention."