核心概念
この記事では、p 進代数体の超代数的不変量、特に超 tame 指数と超惰性指数を導入し、これらの不変量と古典的な p 進代数体の不変量との関係性を明らかにすることを目的としています。
要約
この記事は、p 進 Mal'cev-Neumann 体 Lp の数論、特に Lp 内の p 進代数体の超代数的不変量に関する研究論文です。
論文の構成
- 導入: p 進 Mal'cev-Neumann 体 Lp の定義と先行研究、本論文の目的が述べられています。
- 準備: 付値体、最大完備化、Mal'cev-Neumann 体などの基本的な概念が導入されています。
- Lp 内の超代数的要素の体: 超代数的要素の定義、超 tame 指数と超惰性指数の導入、これらの指標の基本的な性質が述べられています。
- Lha
p 内の p 進代数体: 超代数的要素の tame 指数と惰性指数が、古典的な p 進代数体の不変量とどのように関連しているかが考察されています。特に、一般的な p 進代数体、アーベル拡大、tamely 分岐拡大の場合について詳細に議論されています。
主要な結果
- Lp 内の超代数的要素の集合 Lha
p は、Qp を真に含む代数閉体ですが、完備ではなく、Cp の部分体でもありません。
- 任意の p 進代数体 α に対して、その超 tame 指数 Tα と超惰性指数 Fα は、[Qp(α): Qp] 以下です。
- Qp(α)/Qp がアーベル拡大で次数が n の場合、その局所導手を fQp(α) とすると、fQp(α) = 0 ならば Tα = 1 かつ Fα = n、fQp(α) ≥ 1 ならば Tα | p − 1 かつ Fα は特定の値で制限されます。
- Lha
p 内の超代数的要素 α に対して、Qp(α) が Qp 上で tamely 分岐であることと、supp(α) ⊆ 1/Tα Z であることは同値です。
結論と今後の展望
本論文では、p 進代数体の超代数的不変量を導入し、古典的な不変量との関係性を明らかにしました。ただし、アーベル拡大や tamely 分岐拡大以外の一般的な拡大については、まだ未解明な部分が多く、今後の研究課題として挙げられています。
統計
p は 3 以上の素数。
Lp := W(Fp)((pQ)) は、p 進複素数体 Cp の唯一の極小球完備拡大体。
Lha
p は、Lp 内の超代数的要素の集合。
引用
"The spherically complete condition is crucial in non-Archimedean functional analysis."
"The purpose of this article is to answer several natural questions concerning the arithmetic of the field Lp."
"For these two special cases, the key ingredient is to find an extension K over Qp(α), which is generated by certain more “controllable” elements."