米国食品医薬品局(FDA)は、治療歴のある切除不能または転移性のHER2陽性胆道がん(BTC)に対するモノセラピーとして、ザニデータマブ(商品名:Ziihera、Jazz Pharmaceuticals社)を承認した。この承認により、この二重特異性抗体は、HER2を標的とした治療薬として初めて適応症を取得したことになる。
ザニデータマブは、HER2細胞表面タンパク質上の2つの異なる領域に結合し、隣接するHER2タンパク質を架橋結合させることで、HER2シグナル伝達を阻害し、細胞傷害性免疫応答を誘導する。
FDAは同時に、ザニデータマブによる治療の適格となる可能性のあるBTC患者の特定を支援するコンパニオン診断薬として、VENTANA PATHWAY抗HER-2/neu(4B5)ウサギモノクローナル一次抗体(Ventana Medical Systems社/Roche Diagnostics社)も承認したことを発表した。
ザニデータマブの承認は、第2b相HERIZON-BTC-01試験に基づいている。これは、切除不能または転移性のHER2陽性(IHC3+)BTC患者62人を対象とした、非盲式、多施設共同、単群試験である。この試験では、過去にゲムシタビンを含む化学療法を受けたことがあるが、HER2を標的とした治療を受けたことのない患者に、ザニデータマブ20 mg/kgを2週間ごとに投与した。
FDAの声明によると、奏効率は52%であり、奏効期間の中央値は14.9カ月であった。
Jazz Pharmaceuticals社によると、標準的な化学療法による二次治療を受けた進行BTCの平均余命は約6~9カ月である。
処方情報には、胎児毒性に関する黒枠警告が含まれている。ザニデータマブを投与された患者の少なくとも20%に報告された最も一般的な副作用は、下痢、注入に伴う反応、腹痛、疲労であった。
推奨されるザニデータマブの用量は20 mg/kgであり、進行または許容できない毒性が認められるまで、2週間ごとに1回の静脈内注入として投与する。
Jazz Pharmaceuticals社の申請は、優先審査、画期的治療薬指定、オーファンドラッグ指定を受けている。
現在進行中の第3相試験であるHERIZON-BTC-302では、進行または転移性のHER2陽性BTCに対する一次治療として、ザニデータマブを標準治療と併用した場合の有効性を評価している。また、この二重特異性抗体は、HER2陽性の進行/転移性胃食道接合部がんに対しても開発が進められている。
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by M. Alexander... 場所 www.medscape.com 11-21-2024
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