核心概念
Lubineauらによる高周波フリッカー読書支援機器の有効性に関する論文は、実験方法に問題があり、Lexilensメガネの効果を正しく評価できていない。
要約
Lubineauらの論文に対する反論:高周波フリッカーは読解力を向上させるのか?
このコメントは、Lubineauらによる高周波フリッカー読書支援機器の有効性に関する論文[1]に対する反論を述べたものである。
Lubineauらは、Lexilensメガネとパルスランプを用いた実験において、日中の明るい部屋で実験を行っている。しかし、Lexilensメガネは日中の使用に適している一方で、パルスランプは暗所で使用しなければ効果を発揮しない。このため、パルスランプを用いた実験結果は信頼性に欠ける。
また、LexilensメガネのON/OFF機能はバッテリー節約のためのものであり、OFF状態でも光を通過させる。LubineauらはON状態とOFF状態を比較しているが、OFF状態ではON状態の5倍の光量が透過するため、単純な比較はできない。
Lubineauらの実験3では、文字の読み上げテストが行われているが、これは読解力全体を評価する指標としては不適切である。なぜなら、ディスレクシアの読者は、単独の文字を読む場合には健常者と同様のパフォーマンスを示すことが知られているからである[3-5]。