核心概念
本稿では、リュードベリ原子実験において制御された散逸を実現するシンプルな技術を提示し、励起状態と短寿命状態の結合による散逸速度の制御と、その時間的制御の可能性を示した。
要約
リュードベリ原子実験における制御された散逸の実現
本稿は、量子コンピューティングやシミュレーションへの応用が期待されるリュードベリ原子実験において、制御された散逸を実現する技術を報告する研究論文である。
本研究は、リュードベリ原子実験において、制御可能かつ時間的に変化可能な散逸を実現することを目的とする。
磁気光学トラップ(MOT)を用いて、87Rb原子を超低温状態に冷却し、原子雲を生成する。
2つのレーザー(420nmと1013nm)を用いた2光子励起により、原子雲中の原子を基底状態(5S)からリュードベリ状態(70S)へと励起する。
別の1013nmレーザーを導入し、リュードベリ状態(70S)と短寿命状態(6P)間の遷移を共鳴させることで、制御された散逸を誘起する。
電界イオン化とチャネル電流を用いて、リュードベリ原子数を検出する。