核心概念
本論文では、光ネットワーク化されたトラップイオンモジュールを用いて、フォールトトレラントな測定ベース量子計算(FT-MBQC)を実現するための、空間および時間多重化を活用した二層アーキテクチャを提案し、その実現可能性を理論的に評価している。
要約
光ネットワーク化されたトラップイオンモジュールを用いた、フォールトトレラント量子計算の多重化二層実現に関する研究
本論文は、光ネットワーク化されたトラップイオンモジュールを用いてフォールトトレラントな測定ベース量子計算(FT-MBQC)を実現するためのアーキテクチャを提案し、その実現可能性を理論的に評価した研究論文である。
本研究の目的は、トラップイオンを用いた量子コンピュータにおいて、フォールトトレラントな量子計算を実現するための効率的でスケーラブルなアーキテクチャを開発することである。
トポロジカルに保護されたクラスター状態として知られるラウスエンドルフ・ハリントン・ゴヤル(RHG)格子状態を、光ネットワークで接続されたトラップイオンモジュール上に実現するアーキテクチャを採用。
モジュール間のリモートエンタングルメント生成には、空間多重化と時間多重化を用い、RHG格子の結合破壊耐性しきい値を超えるエンタングルメント生成レートを確保。
現実的なシステムタイミングパラメータを用いて、RHG格子のコードサイクル時間と、二層実装に必要なイオンリソースを見積もり。
モジュール間の長距離通信には量子リピータを導入し、累積リソース要件への影響を分析。
提案するアーキテクチャにおけるRHG格子生成のための、量子ビットノイズ耐性しきい値の不等式を導出し、様々なノイズ源を考慮して分析。