核心概念
本稿では、量子証明のエンタングルメント構造に焦点を当て、QMA(2) の計算能力に関する新たな知見を提供しています。具体的には、証明に内部的な分離可能性を課した新たな計算モデル QMAIS を導入し、QMAIS(2) との比較を通じて、単一の量子証明よりも二つのエンタングルしていない量子証明の方が強力である可能性を示唆しています。
要約
内部的に分離可能な証明を用いた量子 Merlin-Arthur の分析
本稿は、量子計算複雑性理論、特に量子 Merlin-Arthur (QMA) とそのバリアントである QMA(2) の計算能力に関する研究論文です。
本研究は、QMA(2) の計算能力を解明することを目的としています。QMA(2) は、検証者が二つのエンタングルしていない量子証明を受け取る計算モデルであり、その能力は長年未解明のままでした。
本研究では、証明に内部的な分離可能性を課した新たな計算モデル QMAIS を導入します。これは、証明の一部をトレースアウトした際に、残りの部分が分離可能であることを保証するものです。この QMAIS と、二つのエンタングルしていない証明を受け取る QMAIS(2) を比較することで、QMA(2) の能力を探ります。