核心概念
本稿では、連続変数エンタングルメント、特に二モードスクイーズド真空状態(TMSVS)におけるエンタングルメントスワッピングを特徴付ける、効率的でスケーラブルな新しいエンタングルメント測定方法である「レシオネガティビティ」を導入しています。
要約
本論文は、量子ネットワーク(QN)におけるエンタングルメント分布、特に連続変数(CV)システムにおけるエンタングルメントスワッピングに焦点を当てています。
背景
- エンタングルメントは、量子通信、量子計算、量子センシングなどの量子情報タスクにおいて不可欠なリソースです。
- 量子ネットワーク(QN)は、遠隔地間でエンタングル状態を生成・配信することで、これらのタスクの実現を可能にします。
- エンタングルメントスワッピングプロトコルは、QNにおいてエンタングルメントを長距離にわたって配信するために使用されます。
- 離散変数(DV)システムのエンタングルメント測定は数多く存在しますが、実験的に利用しやすいCVシステムの包括的な探求は不足しています。
レシオネガティビティ
- 本論文では、CVエンタングルメント測定の新しいクラスとして、レシオネガティビティ(χN)を導入しています。
- レシオネガティビティは、純粋ガウス状態の最適なエンタングルメントスワッピングを特徴付ける、シンプルでスケーラブルな形式を持つ、非凸エンタングルメント単調関数です。
- レシオネガティビティは、ネガティビティ(N)から派生し、χN(ρST) = χN(ρSR)χN(ρRT) の関係を満たします。
- これは、スワッピングプロトコルベースのCVQNを分析するための統計物理学ツールを活用する道を開きます。
レシオネガティビティの特性
- 非凸エンタングルメント単調関数である。
- 単調性を持つ。
- 半正定値である。
- PPT状態で消失する。
- サブ加法的である。
- 特定の条件下で、拡張された単調性の概念を示す。
結論
- レシオネガティビティは、CVシステムのQNにおけるエンタングルメントを定量化するための適切な指標となりえます。
- 本研究は、エンタングルメントスワッピングが重要な役割を果たすQNの新しい特性を明らかにする可能性があります。
統計
α ≧ log3(√2−1) / 2 ≈ 3.191 のとき、レシオネガティビティは特定の多者間純粋状態に対してCKW不等式を満たします。