核心概念
本稿では、従来の遅延更新戦略に代わる、即時更新戦略を用いたマルチステート拘束カルマンフィルタ(MSCKF)を提案し、その有効性をシミュレーションと実データを用いて検証する。
要約
マルチステート拘束カルマンフィルタの即時更新戦略に関する論文要約
本論文は、ビジュアル慣性オドメトリ(VIO)システムにおいて広く用いられているマルチステート拘束カルマンフィルタ(MSCKF)の推定精度向上を目的とする。具体的には、従来の遅延更新戦略に代わる、即時更新戦略の有効性を検証する。
従来のMSCKFでは、特徴点が次の画像フレームで観測できなくなるまで測定値を用いた更新を行わない遅延更新戦略を採用していた。
本論文では、特徴点が観測できるたびに3次元位置を再構成し、即座に状態量を更新する即時更新戦略を提案する。
提案手法を、遅延更新を用いたMSCKF、全カメラ姿勢を用いた即時更新(全カメラ即時更新)、3つのカメラ姿勢を用いた即時更新(3カメラ即時更新)の3つのアルゴリズムで比較評価する。
評価には、数値シミュレーションと、EuRoCデータセット、KAIST VIOデータセットを用いた実験を行う。