核心概念
本稿では、グラフの代数的連結性を利用した、二次最小スパニングツリー問題 (QMSTP) に対する二つの新しい混合整数半正定値計画法 (MISDP) を提案する。
要約
二次最小スパニングツリー問題に対する新たな混合整数半正定値計画法
本論文は、グラフの代数的連結性を利用した、二次最小スパニングツリー問題 (QMSTP) に対する二つの新しい混合整数半正定値計画法 (MISDP) を提案する。QMSTPは、グラフ中のすべての辺のペア間の相互作用コストの合計が最小となるように、連結無向グラフのスパニングツリーを見つける問題である。
本論文では、まず、ツリーの代数的連結性を利用して、QMSTPの二つのMISDP定式化を導出する。代数的連結性とは、グラフのラプラシアン行列の2番目に小さい固有値として定義される。ツリーは、連結していて辺の数が頂点の数より1つ少ないグラフとして特徴づけることができる。この性質を利用して、正の半確定性によってツリーを特徴づける。
次に、導出したMISDP定式化に対して、Chvatal-Gomory (CG) 手続きを用いて、いくつかの有効な不等式を導出する。CG手続きは、混合整数計画問題に対して有効な不等式を生成するための一般的な方法である。本論文では、古典的なカットセット制約と、一次のRLT制約がCGカットであることを示す。カットセット制約は、ツリーの代数的連結性に関する線形行列不等式 (LMI) から導出される。RLT型の制約は、QMSTPのMISDP定式化からの2つのLMIを用いて導出される。