核心概念
本稿では、ハウスドルフ次元がゼロ(したがってルベーグ測度もゼロ)である、非可算な$\mathbb{R}$ の部分環を構成する。
要約
書誌情報
Baier, S., & Paul, S. (2024). An uncountable subring of R with Hausdorff dimension zero. arXiv preprint arXiv:2411.13519v1.
研究目的
本研究の目的は、ハウスドルフ次元がゼロである、非可算な実数の部分環を構成することである。
方法
本研究では、まず、非負整数からなる集合S = {0} ∪ {2^n : n ∈ N0} を定義する。次に、Sのn番目の和集合nSを定義し、それを用いて、実数の部分集合Anを定義する。Anは、nSの要素を指数とする2の冪乗分の1の線形結合で表される実数全体からなる集合である。
主な結果
本研究では、以下の結果が得られた。
- Anは、任意の自然数nに対して、非可算な$\mathbb{R}$ の部分群である。
- Anは、任意の自然数nに対して、ハウスドルフ次元がゼロである。
- A = ⋃_{n=1}^∞ An は、非可算な$\mathbb{R}$ の部分環である。
- Aに含まれる有理数は、2進有理数のみである。
結論
本研究では、ハウスドルフ次元がゼロである、非可算な$\mathbb{R}$ の部分環を構成することに成功した。この結果は、ハウスドルフ次元とルベーグ測度の関係を理解する上で重要な意味を持つ。
意義
本研究は、ハウスドルフ次元がゼロである非可算な実数の部分環の存在を示した点で、数学、特に測度論やフラクタル幾何学の分野に貢献するものである。
限界と今後の研究
本研究では、特定の集合Sを用いて部分環を構成したが、他の集合を用いても同様の構成が可能かどうかは今後の課題である。また、構成した部分環の代数的構造や位相的構造をより詳細に調べることも興味深い。
統計
|ex| ≤ t∑{i=j}^∞ 1/2^{ki} ≤ t∑{h=kj}^∞ 1/2^h = t/2^{kj−1}.
#(X) ≤ (2t + 1)^{j−1}
µ(Im) = 2rj
δj := 4rj
lim_{j→∞} (2t + 1)^{j−1}td/2^{(kj−2)d} = 0
lim_{j→∞} (3t)^j/2^{kjd} = 0
lim_{j→∞} (kj − cj) = ∞
j = gn(kj) ≤ (2 + log2 kj)^n
kj ≥ 2^{√n(j−2)}
|rm| < 1/2^l
frac(2^{km}x) ∈ (0, 1/2^l) ∪ (1 - 1/2^l, 1)
引用
"The set An is an uncountable subgroup of R."
"The set An,t has Hausdorff dimension zero for all n, t ∈ N."
"The set A is a subring of R."
"A number x ∈ A is rational if and only if there exists a ∈ Z and k ∈ N0 such that x = a/2^k."