核心概念
ルービックキューブ群は、有理数体上のガロア群として実現できる。
本論文は、ルービックキューブ群を有理数体上のガロア群として実現できることを証明しています。これは、任意の有限群が有理数体のガロア拡大のガロア群として実現できるかという、逆ガロア問題において重要な進展を示唆するものです。
背景
逆ガロア問題は、19世紀後半から20世紀初頭にかけてヒルベルトなどの数学者によって明確に提起されました。対称群や交代群など、多くの有限群が有理数体上のガロア群として実現できることが知られていますが、一般的には未解決問題として残されています。
論文の証明の概要
本論文では、まずルービックキューブ群を、位数3の巡回群と8次対称群の輪積と、位数2の巡回群と12次対称群の輪積の直積として表現します。次に、これらの輪積のそれぞれをガロア群として持つような、有理数体上の多項式を構成します。具体的には、8次多項式 f8 と12次多項式 g12 を用い、これらの多項式の判別式の積が平方数となるように構成します。さらに、f8(X^3) と g12(X^2) の分解体を考えることで、目的のガロア群が得られることを示しています。
パラメトリックなガロア拡大族
論文ではさらに、ルービックキューブ群をガロア群として持つような、パラメトリックなガロア拡大族の存在も示しています。これは、ルービックキューブ群をガロア群として持つような、無数のガロア拡大を具体的に構成できることを意味します。
結論
本論文の結果は、逆ガロア問題の研究において重要な進展であり、他の有限群のガロア群としての構成にも新たな知見を与える可能性があります。
統計
ルービックキューブ群の位数は 43,252,003,274,489,856,000 である。
ルービックキューブには、8つのコーナーキューブ、12のエッジキューブ、6つのセンターキューブがある。