核心概念
初期星形成コアにおける硫黄含有分子の存在量は、ガスの温度と正の相関があり、これは硫黄が低温ではダスト粒子に凍結している可能性を示唆している。
本稿では、初期星形成コアにおける硫黄含有分子の存在量を調査し、星間物質における硫黄化学の解明に貢献することを目的とする。
ALMA望遠鏡のアーカイブデータを用いて、ATLASGALサーベイで発見された、大質量で赤外線的に静穏な分子雲の塊に埋め込まれた37個の密なコアを観測した。観測対象とした分子は、34SO、SO2、NS、SO、SO+、H2CSである。これらの分子輝線と連続波放射から、各コアの温度、密度、H2カラム密度を導出した。これらの物理量と各分子のカラム密度から、存在量を算出し、比較分析を行った。