核心概念
本論文では、ヘッセ行列に対して凸非線形項を持つ完全非線形放物型偏微分方程式を、勾配上昇法を用いて数値的に解く新しい手法を提案しています。
要約
論文要約
本論文は、ヘッセ行列に対して凸非線形項を持つ完全非線形放物型偏微分方程式 (PDE) の数値解法を提案しています。
非線形性の強いPDEは、数値的に解くことが困難であり、数値解の収束性と安定性の確保も課題となります。従来の有限差分法やモンテカルロ法などの数値解法は、非線形性の強いPDEに対しては計算時間がかかる傾向があります。
本論文では、完全非線形PDEを、拡散項によってパラメータ化されたより単純な準線形PDEのクラスに還元する手法を提案しています。具体的には、ルジャンドル変換を用いて、完全非線形PDEを、拡散係数に関する方向最大値原理を持つ準線形PDEに変換します。この原理は、完全非線形PDEの解に近づくように拡散係数を修正する方法を規定するものです。拡散係数は無限次元ですが、増加の最大方向を明示的に求めることができます。これは、完全非線形問題に対する数値的な勾配上昇法も提供します。