核心概念
CeCo2P2は、Co原子に由来する反強磁性秩序と近藤効果が共存する、これまでに知られていないタイプのトポロジカル近藤格子化合物である。
要約
CeCo2P2における反強磁性秩序と近藤効果の共存とトポロジカル特性
本論文は、CeCo2P2が、反強磁性秩序と近藤効果が共存する、これまでに知られていないタイプのトポロジカル近藤格子化合物であることを報告している。
CeCo2P2は、Ce原子層と[P-Co2-P]原子層が交互に積層した体心正方格子構造を持つ。Co原子は約440 Kのネール温度で磁気秩序を示し、各[P-Co2-P]層内では強磁性秩序、層間では反強磁性秩序を示す。
CeCo2P2は、反強磁性秩序を示すにもかかわらず、典型的な近藤効果を示す。電気抵抗率測定の結果、低温で電気抵抗率のピークが観察され、これは近藤効果の特徴である。X線吸収分光法(XAS)およびX線光電子分光法(XPS)測定の結果、Ce原子は主にCe3+の価数を持ち、近藤効果に寄与していることが示唆される。