核心概念
浅海における音波伝播の解析に用いられる「鉛直モードと水平線」アプローチを、時空間水平線を用いて発展させることで、信号の振幅・周波数変調や波面などの詳細な予測が可能になる。
本論文は、浅海における音波伝播問題の解決に用いられる「鉛直モードと水平線」アプローチを、時空間水平線を用いて発展させたものである。
研究背景
従来の音波伝播解析では、鉛直モード分解を用いた手法と、周波数分散と変調を考慮した時空間光線を用いた手法が存在した。しかし、鉛直モード分解は周波数変調が大きい場合に計算量が増大し、時空間光線は水平屈折以外の現象の解析に課題があった。
研究内容
本論文では、音場を断熱的な鉛直モードに分解し、その上で構築された時空間水平線を導入することで、従来の時空間光線法を拡張した。この手法を用いることで、時空間コースティクスなどの信号特性を解析し、信号の形状や振幅・周波数変調、波面などのパラメータを予測する簡便な方法を提供する。
研究の意義
本論文で提案された手法は、従来手法の課題を克服し、周波数変調が大きい場合でも効率的に音波伝播を解析することを可能にする。また、音速、海底地形、障害物などの特定のケースごとにモデルを構築する必要がなく、様々な環境における音波伝播解析への応用が期待される。
統計
ε < 0.1 は、現実の物理的用途において妥当な仮定である。