核心概念
地上に基づく重力波観測施設によって、ブラックホールや中性子星の合体から生じる重力波の観測例が増加しており、これらのコンパクト連星の質量、回転速度、宇宙における分布といった統計的な特徴が明らかになりつつある。
観測されるブラックホール連星の質量は20-50太陽質量のものが多いが、これは観測バイアスの影響を受けている。
実際には、8-10太陽質量程度の軽いブラックホール連星が多数存在すると考えられている。
ブラックホール連星の合体率は、質量が増加するにつれて急激に減少する。
35太陽質量付近のブラックホール連星に過剰が見られる。
理論的には存在が予測されない、50-100太陽質量の「ペア不安定質量ギャップ」に属するブラックホールも観測されている。
ブラックホールは、質量が近いもの同士でペアを形成する傾向がある。
多くのブラックホールは自転しているが、その回転速度は比較的小さい。
ブラックホールの自転軸は、連星の軌道角運動量と平行になる傾向がある。
しかし、軌道角運動量に対して大きな角度を持つブラックホールも存在する。