核心概念
最近のニュートリノ観測と一致する潮汐破壊現象(TDE)に基づき、超高エネルギー宇宙線(UHECR)の起源としてTDEが果たす可能性のある役割を再検討する。
要約
超高エネルギー宇宙線源としてのニュートリノ放射潮汐破壊現象の再考
この論文は、超高エネルギー宇宙線(UHECR)の起源を解明するために、最近のニュートリノ観測と一致する潮汐破壊現象(TDE)に焦点を当て、詳細な数値モデルとシミュレーションを用いて検証を行っています。
UHECRの起源は、天体粒子物理学における長年の謎である。
近年、IceCubeニュートリノ観測により、特定のTDE(AT2019dsg、AT2019fdr、AT2019aalc)と高エネルギーニュートリノの間に相関関係が示唆されている。
この研究では、これらのTDEがUHECRの発生源となりうるかどうかを検証する。
個々のTDE(AT2019dsg、AT2019fdr、AT2019aalc)をモデル化し、ニュートリノ放射とUHECR生成をシミュレートする数値モデルを開発。
モデルのパラメータとして、生成領域の半径、最大剛性、注入される宇宙線の組成などを考慮。
シミュレーション結果を、Auger観測によるUHECRスペクトルおよび組成データと比較。
IceCube観測による拡散ニュートリノフラックスの制限を超えない範囲で、最適なパラメータを探索。