本稿は、完全グラフの辺イデアルの記号的冪の生成次数を研究し、ココーダルグラフのMinh予想に対する不等式を導出する。
本節では、Gが完全グラフの場合のI(G)(m)の生成次数を研究する。その結果、ココーダルグラフのMinh予想における不等式を導出する。
完全グラフGの辺イデアルの記号的Rees代数Rs(I(G))は、Gのクリークを用いて記述できる。
定理1.1 クリーク数ω = ω(G) ≥ 2 を持つ完全グラフGとする。このとき、任意のm ≥ 1に対して、
(a) I(G)(m) = Σ Ks1(G)Ks2(G) · · · Ksj(G) が成り立つ。ここで、和は、1 ≤ j ≤ m、2 ≤ si ≤ ω (∀i)、s1 + · · · + sj = m + j を満たすすべての整数j, s1, . . . , sj をわたる。
(b) β0,d(I(G)(m)) ≠ 0 であることと、⌈m/(ω − 1)⌉ ≤ j ≤ m を満たす整数jを用いてd = m + j と書けることは同値である。
系1.2 完全グラフGに対して、reg I(G)(m) ≥ 2m (∀m ≥ 1) が成り立つ。特に、Gがココーダルグラフの場合、reg I(G)(m) ≥ reg I(G)m が成り立つ。
本節では、いくつかのクラスのグラフに対して予想Bを解明することに焦点を当てる。
定理2.3 Gを以下のいずれかのグラフとする。
(a) ブロックグラフの補グラフ
(b) 正則区間グラフの補グラフ
(c) Gの各頂点がGの最大独立集合高々2個に属するようなココーダルグラフ
このとき、任意の正の整数kAに対して、ΠA∈F(∆G) P^{kA}_{[n]\A} は成分毎線形である。特に、任意のkに対してI(G)(k)は成分毎線形である。
系2.4 定理2.3で考えられるグラフのいずれかをGとする。このとき、任意のkに対してreg I(G)(k) = reg I(G)k = 2k が成り立つ。
本節では、辺イデアルの第2記号的冪に対して予想Bと予想Cを考える。Gがココーダルグラフの場合、I(G)(2)は線形商を持つことを証明する。
定理3.5 Gをココーダルグラフとする。このとき、I(G)(2)は線形商を持つ。特に、reg I(G)(2) = reg I(G)2 = 4 が成り立つ。
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