核心概念
高迎角で揚力と抗力が同程度の大きさになる翼型シミュレーションにおいて、抗力を正確に計算するには、点渦だけでなく点湧き出しを含む境界条件が重要である。
要約
高迎角における翼型シミュレーションのための遠方場境界条件:定常・非圧縮・二次元流れの場合
本論文は、高迎角、高レイノルズ数におけるNACA 0012翼型のCFDシミュレーションにおいて、揚力と抗力が同程度の大きさになり、モーメントが大きくなる場合の遠方場境界条件(BCs)の影響を調査している。
翼型シミュレーションの精度は、計算領域のサイズ、乱流モデル、メッシュ品質、離散化スキーム、境界条件など、多くの要因に依存する。本研究では、揚力、抗力、モーメントの式と整合性のとれた境界条件を用いることで、所望の精度を得るための計算領域サイズを最小化できる、あるいは、計算領域サイズを一定にした場合に精度を向上させることができるという仮説を検証している。