核心概念
3-3-1有効場理論(EFT)の枠組みにおいて、トリリニアヒッグス結合の最大許容値は、標準模型の予測よりも4倍以上大きく、LHCのHL-LHCアップグレードや将来の衝突型加速器実験で検証可能である可能性がある。
要約
論文情報
Cherchiglia, A., & Leite, L. J. F. (2024). Maximal value for trilinear Higgs coupling in a 3-3-1 EFT. arXiv preprint arXiv:2411.00094v1.
研究目的
本研究は、3-3-1有効場理論(EFT)の枠組みにおいて、トリリニアヒッグス結合(λhhh)の最大許容値を調べることを目的とする。
方法
- 3-3-1モデルをツリーレベルで整合させ、2HDMの有効場理論を構築する。
- 電弱精密観測量、衝突型加速器実験、フレーバー物理、理論的考察から得られる制限を課す。
- 許容されるパラメータ空間を数値的に評価し、λhhhの最大値を決定する。
主な結果
- 3-3-1 EFTにおけるλhhhの最大値は、標準模型(SM)の予測よりも4倍以上大きい。
- このような大きな値は、アラインメントからのずれが小さくても、アラインメントがずれている場合にのみ達成可能である。
結論
本研究の結果は、LHCのHL-LHCアップグレードや将来の衝突型加速器実験において、トリリニアヒッグス結合の測定が、3-3-1モデルなどのBSM物理を探求するための有望な道筋であることを示唆している。
意義
本研究は、トリリニアヒッグス結合の精密測定が、標準模型を超えた物理の兆候を明らかにする可能性を浮き彫りにしている。3-3-1 EFTにおけるλhhhの増強された予測は、将来の衝突型加速器実験における興味深いターゲットとなる。
制限と今後の研究
- 本研究では、1ループレベルまでの量子補正を考慮している。2ループ補正を含めると、λhhhの予測値に影響を与える可能性がある。
- アラインメントからのずれの影響を完全に解明するには、2ループレベルでのλhhhの解析計算が必要である。
統計
LHCのHL-LHCフェーズでは、κλ(λhhh / (λhhh)SM)は68%の信頼度で[0.5,1.6]に制限されると予想される。
Z'質量には、現在約4 TeVの下限がある。
引用
"In this work, we obtain a consistent EFT for a class of models based on the gauge group SU(3)c × SU(3)L × U(1)Y."
"By imposing bounds from electroweak precision observables, collider, flavor, as well as theoretical considerations we obtain that the maximum value of the trilinear Higgs coupling is more than four times larger than the SM prediction, potentially testable at the LHC Hi-Lumi upgrade and other future colliders."
"Moreover, we find that such large values are only attainable if one considers an out-of-alignment scenario, even if the deviation is very small, which is not typically considered in the literature."