核心概念
CoHfSiハーフホイスラー合金は、高いゼーベック係数と熱電性能を持つ有望な熱電材料である可能性がある。
要約
論文情報
Sadhana Matth, S. Pandey, Himanshu Pandey. (出版年). First-Principles investigations of the thermoelectric properties of CoHfSi half-Heusler alloy. 掲載誌名, 巻数(号数), ページ数.
研究目的
本研究は、第一原理計算を用いて、CoHfSiハーフホイスラー合金の熱電特性を調査することを目的とした。
方法
- 量子エスプレッソパッケージを用い、一般化勾配近似(GGA)に基づいて、CoHfSi結晶構造の最適化、電子構造、熱電特性の計算を実施。
- ボルツマン輸送形式に基づくsemiclassicalコードであるBoltzTraPを用いて、ゼーベック係数、電気伝導率、熱伝導率などの輸送特性を計算。
- Slackの式とPHONO3PYコードを用いて格子熱伝導率を計算し、結果の精度を検証。
- 熱力学的特性を評価するために、thermos_pwソフトウェアを使用。
結果
- CoHfSi合金は、Γ-X間で1.132 eVの間接バンドギャップを持つ半導体であることがわかった。
- 形成エネルギー、フォノン分散、弾性特性から、合金は安定であることが示された。
- ゼーベック係数は150μV/Kから200μV/Kの範囲にあり、この合金が熱電応用に適している可能性を示唆している。
- 出力因子は温度の上昇とともに増加し、高い性能指数を得るために良い特性を示した。
- zTは温度とともに増加し、850Kで最大値3に達した。
結論
CoHfSiハーフホイスラー合金は、高いゼーベック係数と出力因子を示し、熱電性能指数(zT)は温度の上昇とともに増加する。これらの結果から、CoHfSi合金は熱電応用の有望な候補となり得ると結論付けられる。
統計
CoHfSi合金のバンドギャップは1.132 eV。
ゼーベック係数は150μV/Kから200μV/Kの範囲。
zTは850Kで最大値3に達する。