核心概念
2次元共形場理論におけるW3代数の高次保存電荷を表現する局所演算子の構築方法、および、その構築に必要な熱相関関数と量子Boussinesq電荷の固有値の算出方法を提示する。
要約
W3代数における熱相関関数とカレント
本論文は、拡張されたW3対称性代数を備えた2次元共形場理論(CFT)における、量子Boussinesq電荷と呼ばれる無限個の相互に交換する保存電荷について考察しています。
本研究は、W3代数の高次スピンモジュールにおいて、量子Boussinesq電荷をゼロモードとして持つ局所演算子を系統的に導出することを目的としています。
熱相関関数の算出: W3代数の高次スピンモジュールにおいて、エネルギー運動量テンソルとスピン3カレントを含む熱相関関数を、Zhuの漸化式を用いて計算します。
励起状態の固有値の算出: ODE/IM対応を用いて、高次スピンモジュール内の量子Boussinesq電荷の励起状態における固有値を計算します。
局所演算子の導出: 熱相関関数と固有値のデータを組み合わせることで、積分が可積分階層の保存電荷となる局所演算子を導出します。