この論文では、整数成分を持つ行列によって定義されるQnの部分群の自己準同型環について考察する。この群は、トーラスソレノイドの指標群として自然に現れる。具体的には、整数成分を持つ非特異なn×n行列Aに対して、
GA = {Akx | x ∈ Zn, k ∈ Z}, Zn ⊆ GA ⊆ Qn
と定義される。GAはQnの部分群であることが容易に確認できる。先行研究[S22]および[S24]では、群GAの分類問題について考察し、特に、整数成分を持つ2つの行列A、Bが与えられたとき、対応する群GA、GBが抽象群としていつ同型になるかを、行列A、Bの観点から考察した。本論文では、任意のnに対して、GAの自己準同型環End(GA)について考察する。
T ∈ Mn(Q)がGAの自己準同型を定義するための必要十分条件、すなわちT(GA) ⊆ GAとなる条件、およびn = 2の場合のより具体的な記述を与える。Aの特性多項式が既約で、nが素数でない場合は追加の仮定が成り立つとき、T ∈ End(GA)はゼロであるか、TはAと可換であることを証明する。さらに、Tの固有値はaλkの形の要素であることを示す。ここで、λはAの固有値、k ∈ Z、aはλによって生成される数体Q(λ)の代数的整数である。これは、End(GA)が可換環であり、Aut(GA)が有限生成アーベル群であることを意味する。
GAのPontryagin双対cGAについて記述する。ここで、GAは離散位相を備えた位相群として考え、cGAは、コンパクト開位相を備えた円周T1への連続群準同型からなる基礎空間を持つ位相群である。
トーラスソレノイドと[CEW97]で定義されたS整数力学系の関係について考察する。トーラスソレノイドは、S整数力学系と類似しているが、より一般的な対象と考えることができることがわかる。この関係により、[CEW97]と同様の、SAの自己準同型の周期点の数の公式を得ることができる。
結果をZn-オドメーターに適用する。n = 2の場合の[CP24]の結果を回復し、高次元に一般化する。また、整数行列で定義されるZn-オドメーターの線形表現群の計算可能性に関する[CP24]の質問についても考察する。
他の言語に翻訳
原文コンテンツから
arxiv.org
深掘り質問