この論文では、量子力学の教科書でしばしば省略されるシュレーディンガー方程式の導出について、詳細に解説している。多くの教科書では、シュレーディンガー方程式を天下り的に導入したり、短く説明を済ませたりする傾向がある。しかし、この論文では、古典力学におけるハミルトン・ヤコビ方程式と幾何光学におけるアイコナール方程式の類似性を用いることで、シュレーディンガー方程式を波動方程式から導出する方法を詳細に示している。
まず、光の本質に関する歴史的な議論、すなわち光が粒子の流れなのか、エーテル中の波動なのかについて概説する。そして、アイコナール方程式を導出し、波動が粒子の流れとして振る舞う条件を示す。次に、電子の回折と干渉を示す、電子銃を用いた三つの実験について考察する。これらの実験結果を説明するために、古典力学におけるハミルトン・ヤコビ方程式と幾何光学におけるアイコナール方程式を比較し、シュレーディンガー方程式を導出する。
具体的には、まずアイコナール方程式から波動方程式を導出する方法を示す(逆ではない!)。次に、この方法を用いて、ハミルトン・ヤコビ方程式からシュレーディンガー方程式を導出する。さらに、粒子と波動の両方が存在するというド・ブロイの初期の考え方を用いて、ボルンの統計則を導出する。その後、歴史的には、人々はド・ブロイの考えから粒子(とその軌道)を完全に排除し、ボルンの規則のみを残した(いわゆるコペンハーゲン解釈)ことを示す。
これらの量子力学の基礎の導出は、主題の歴史に正確に従っているわけではない。むしろ、シュレーディンガー方程式を論理的かつ秩序立った方法で提示するために、初期の考えや実験を厳選している。黒体放射や光電効果の代わりに電子銃の実験を用いている。この導出は、混乱し、やや神秘的な量子力学というテーマについて、学部生にさらなる光明と満足をもたらす可能性がある。
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