核心概念
正標数の無限体上で定義される一般線形群において、特定の条件下におけるワイル加群間の準同型写像の分類、存在条件、および生成元について論じる。
要約
この論文は、正標数の無限体K上で定義される一般線形群G = GLn(K)における、特定の条件を持つワイル加群間の準同型写像の分類を目的とする。ワイル加群は、Gの多項式表現論において重要な役割を果たす。論文では、λ = (a, b, 1d) および µ = (a + d, b) (d > 1) のとき、準同型写像 ∆(λ) →∆(µ) を分類する。
論文の主な結果は以下の通りである。
- HomG(∆(λ), ∆(µ)) がゼロでないのは、p = 2 かつ a が偶数の場合に限られる。
- この場合、準同型写像空間の次元は1となり、その生成元はa, b, dに関連する様々な整数の二進展開に依存する形で明示的に記述される。
- これらの生成元は、一般にCarter-Payne準同型写像の合成ではない。
論文では、ワイル加群 ∆(λ) の古典的な表現を用い、タブローや二項係数の性質に関する組合せ論と計算を用いて証明が行われる。
統計
標数 chK = 2 の無限体K上で定義される。
分割 λ = (a, b, 1d) ∈Λ+(n, r) と µ = (a + d, b) ∈Λ+(2, r) について、b, d ≥2, r ≤n を満たす。
引用
"In this paper we classify all homomorphisms ∆(λ) −→∆(µ), when λ = (a, b, 1d) and µ = (a + d, b) (Theorem 3.9)."
"In particular, we prove that HomG(∆(λ), ∆(µ)) is nonzero if and only if p = 2 and a is even."
"We also show that these generators in general are not compositions of Carter-Payne homomorphisms."