核心概念
本稿では、大きなガロア像を持つ超楕円曲線を構築するための新しい手法を提案し、そのモジュラー表現の像を詳細に分析する。
本論文は、r を素数、ζr を 1 の原始 r 乗根としたとき、 Q(ζr) 上定義された、
C : yr = f(x)
という形の超楕円曲線 C のヤコビ多様体のモジュラー表現について考察している。特に、f が特定の条件を満たす場合に、モジュラー表現の像が「大きい」ことを示す方法を与えている。ここで、「大きい」とは、像がある古典群を含むことを意味する。
有限体上の楕円曲線やアーベル多様体のモジュラー表現は、数論において重要な研究対象である。特に、モジュラー表現の像が大きい場合、その多様体に関する多くの情報を得ることができる。例えば、楕円曲線のモジュラー表現の像が GL2(Fℓ) 全体である場合、その楕円曲線は「非CM」と呼ばれ、多くの興味深い性質を持つことが知られている。