核心概念
本研究では、少数層CrI3トンネル接合素子において、トンネル電流を用いてスピン状態を制御できることを実証した。特に、トンネル電流の極性と大きさを調整することで、スピン平行状態とスピン反平行状態間の単方向遷移を制御できることが明らかになった。
要約
少数層ファンデルワールス磁石におけるトンネル電流によるスピン状態制御: 研究概要
本論文は、グラフェン/CrI3/グラフェン トンネル接合素子における、トンネル電流による少数層CrI3のスピン状態制御に関する研究論文である。
本研究は、二次元ファンデルワールス磁性体であるCrI3において、トンネル電流がスピン状態に与える影響を調査することを目的とする。
化学蒸着法を用いてCrI3単結晶を成長させた。
ドライ転写法を用いて、少数層CrI3 (2層および4層) トンネル接合素子を作製した。
4Heクライオスタットを用いて、1.5 Kの極低温環境下で電気伝導測定および磁気抵抗測定を行った。