核心概念
群の圏や空間の∞圏のような大きく複雑な圏では、小さな圏への関手は自明なものしか存在しない場合が多い。
要約
この論文は、群の圏や空間の∞圏における関手の非存在性について考察しています。
大きな圏から小さな圏への関手
論文ではまず、大きな圏から小さな圏への関手の非存在性について考察しています。
- 強連結で小さな積を持つ圏から小さな圏への関手は、定関手に限られることが示されています。
- この結果から、例えば、群の圏から有限群の圏への関手はすべて定関手であることが導かれます。
恒等関手の部分関手と商関手
次に、群の圏やアーベル群の圏における恒等関手の部分関手と商関手の非存在性について考察しています。
- 群の圏の恒等関手の自明でない部分関手で、アーベル群の圏に値を取るものは存在しないことが示されています。
- また、群の圏の恒等関手の自明でない商関手で、完全群の圏に値を取るものも存在しないことが示されています。
ホモトピー論からの考察
最後に、ホモトピー論における関手の非存在性について考察し、いくつかの未解決問題が提示されています。
- 例えば、空間の∞圏からスペクトルの∞圏への関手Fに対して、恒等関手への自然変換Ω∞FX→Xはすべてヌルホモトピックなのか、という問題が挙げられています。
論文の結論
この論文は、圏論における関手の存在性について新たな知見を提供するものであり、特に、大きな圏から小さな圏への関手や、群の圏や空間の∞圏における関手の非存在性に関する重要な結果を示しています。
統計
κ ≥ max(2κ′,ℵ0) を満たす基数 κ と κ′ に対して、濃度が κ 以下の基点付き集合の圏から濃度が κ′ 以下の基点付き集合の圏への関数はすべて定関手に同型である。