本論文は、高インデックス微分代数方程式(DAE)の正確な初期値計算のための新しい数値アルゴリズムとその解析、および時間ステップ法と組み合わせた初期値ソルバーへの応用について述べています。
高インデックスDAEは、システムの動的自由度が記述されるプロセスの絶対次元よりも小さく、システムの実際の低次元設定空間が深く暗黙的であるため、正確な初期条件の設定が課題となります。従来の数値解法は、高インデックスDAEに適用すると収束性を失うことが知られています。
本論文では、標準的なサブスペースの特性と幾何学的縮約に基づいた新しい数値手法を開発しています。高インデックスDAEが自然に与えられたノルムにおいて悪条件問題につながるという事実を考慮し、この手法を時間ステップ手順においてある時間窓から次の時間窓への転送条件として機能するように修正し、窓単位の過剰決定最小二乗コロケーションと組み合わせることで、高インデックス初期値問題のための完全に数値的なソルバーを構築しています。
アルゴリズムは、DAEのフロー構造を形成する2つの時間依存のサブスペース、すなわちフローサブスペースScanとその標準的な補空間Ncanに基づいています。Scan(¯t)は、時間¯tにおける同次DAEの解のすべての可能な関数値の集合であり、Ncan(¯t)はScan(¯t)に対する特別な点ごとの補空間です。
正確な初期条件を記述するために、行列Ga ∈ Rl×m(ker Ga = Ncan(a) = ker Πcan(a))を使用し、Ga(x(a) − xa) = 0を要求します。ここで、lはフローサブスペースScan(t)の一定次元、Πcanは標準的な射影関数です。
論文では、開発したアルゴリズムの性能を示す数値例を示し、時間ステップ法と組み合わせた場合の収束性を示しています。
本論文で提案されたアルゴリズムは、高インデックスDAEの正確な初期値計算のための堅牢かつ効率的な方法を提供します。このアルゴリズムは、時間ステップ法と組み合わせて、高インデックスDAEの初期値問題のための完全に数値的なソルバーを構築するために使用できます。
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