核心概念
本稿では、従来のモータ駆動型ハプティックグローブの欠点を克服するため、低電圧で作動し、幅広い摩擦力を生成できる、薄型で装着しやすい静電クラッチを用いた力覚ハプティックグローブを提案する。
要約
静電クラッチを用いた力覚ハプティックフィードバックグローブ:論文要約
本研究は、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)における力覚ハプティックフィードバックの需要の高まりを受け、従来のモータ駆動型ハプティックグローブの欠点である重量や嵩張りを克服し、快適な装着感と高い力覚提示性能を両立させることを目的とする。
本研究では、電荷蓄積特性を持つ機能性ポリマーであるポリ塩化ビニルゲル(PVCゲル)と誘電液を用いた新規な静電クラッチを開発した。PVCゲルの高い誘電率と誘電液によるプルイン電圧の低減により、低電圧(100V以下)で作動し、幅広い摩擦力(0.35N/cm²~18.9N/cm²)を生成可能な薄型(4mm)のクラッチモジュールを実現した。このモジュールを指先に配置し、腱駆動機構と組み合わせることで、装着感に優れたハプティックグローブを設計した。