書誌情報: Chandio, Y., Interrante, V., & Anwar, F. M. (2024). Reaction Time as a Proxy for Presence in Mixed Reality with Distraction. arXiv preprint arXiv:2411.05275v1.
研究目的: 本研究は、複合現実(MR)環境において、異なる種類の注意散漫(タスクと関連性の高いものと低いもの)が、ユーザーの没入感、認知負荷、反応時間にどのような影響を与えるかを調査することを目的とする。
方法: 54人の参加者を対象に、同一の画像分類タスクを3つの異なる条件下で実施した。条件は、注意散漫なし(ND)、タスクと関連性の高い注意散漫(CD)、タスクと関連性の低い注意散漫(ID)の3つである。各条件において、参加者はMRヘッドセットを装着し、仮想空間内に表示される画像を「生物」または「非生物」に分類するタスクを行った。CD条件では、仮想空間内に仮想的なブザーが出現し、参加者は仮想ボタンを押すことでブザーを停止させた。ID条件では、仮想空間内にポップアップが表示されるのと同時に現実世界のブザーが鳴り、参加者は現実世界のボタンを押すことでブザーを停止させた。各条件後、参加者の没入感(PQ、IPQ)、認知負荷(NASA-TLX)、タスク中の反応時間を計測した。
主な結果:
結論: 本研究の結果は、MR環境において、タスクと関連性の低い注意散漫は、ユーザーの没入感を阻害し、認知負荷を増加させ、反応時間を遅延させる可能性があることを示唆している。一方、タスクと関連性の高い注意散漫は、没入感や認知負荷への影響が比較的小さいことが示唆された。
意義: 本研究は、MR環境における注意散漫の影響を理解し、没入感のあるMR体験を設計するための重要な知見を提供するものである。特に、タスクと関連性の低い注意散漫を最小限に抑えることで、ユーザーの没入感とパフォーマンスを向上させることができる可能性が示唆された。
限界と今後の研究: 本研究では、注意散漫の種類として、仮想空間内と現実世界の2種類のみを比較しており、より多様な注意散漫の種類の影響を検討する必要がある。また、本研究は実験室環境で行われたものであり、実際のMR環境における注意散漫の影響をより正確に把握するためには、より現実的な環境での研究が必要である。
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