核心概念
プラネタリウムドームショーにおける科学データビジュアライゼーションは、世界中の何百万人もの視聴者へのリーチと教育効果の可能性を秘めている。
要約
研究論文の概要
書誌情報
Borkiewicz, K., Jensen, E., Miao, Y., Levy, S., Naiman, J.P., Carpenter, J., & Isaacs, K.E. (出版年不詳). プラネタリウム映画における科学データビジュアライゼーションの視聴者数. 出版社不詳.
研究目的
本研究は、プラネタリウムドームショーで上映される科学データビジュアライゼーションの視聴者数と世界規模での影響を定量化することを目的とする。
方法
本研究では、米国の国立スーパーコンピュータ応用センターの先端ビジュアライゼーションラボが制作した4本のドーム映画を対象に、世界中のプラネタリウムへのライセンス販売データと視聴者数に関するアンケート調査を実施した。
主な結果
- 調査回答のあった68館のプラネタリウムでは、4本の映画の合計視聴者数は120万人から260万人と推定された。
- ライセンス販売データに基づくと、315館のプラネタリウムにおける4本の映画の合計視聴者数は1,650万人から2,410万人と推定された。
- ドーム映画の寿命は10年以上と推定され、1本の映画が10年間で490万人から650万人の視聴者にリーチする可能性がある。
結論
プラネタリウムドームショーにおける科学データビジュアライゼーションは、世界中の何百万人もの視聴者へのリーチと教育効果の可能性を秘めている。
意義
本研究は、科学データビジュアライゼーションの普及と影響力を理解する上で重要な知見を提供するものである。
制限と今後の研究
- アンケート調査は英語で実施されたため、英語圏以外のプラネタリウムからの回答数が限られている。
- 映画のテーマや品質、ナレーターの知名度など、視聴者数に影響を与える可能性のある要因については、さらなる研究が必要である。
統計
調査対象となった4本の映画は、「Birth of Planet Earth」(2019年)、「Solar Superstorms」(2015年)、「Dynamic Earth」(2012年)、「Black Holes: The Other Side of Infinity」(2007年)である。
これらの映画は、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校にある国立スーパーコンピュータ応用センターの先端ビジュアライゼーションラボのビジュアライゼーションを特徴としている。
調査対象の映画は、Evans and Sutherland社を通じて世界315館のプラネタリウムにライセンス販売された。
アンケート調査には、ライセンスを取得したプラネタリウムのうち68館が回答した。
調査の結果、4本の映画の合計視聴者数は、回答のあったプラネタリウムだけで120万人から260万人に達することが明らかになった。
ライセンス販売データに基づくと、4本の映画の合計視聴者数は1,650万人から2,410万人と推定される。
引用
"ドームショー、そしてそこに含まれる科学的可視化は、世界中に大きな影響を与える可能性があります。私たちのデータが示すように、多くのドームショーは何十年も流通し続け、最初の公開後も長く上映され続けています。"
"映画の寿命は10年以上と推定され、1本のドームショーが10年間で490万人から650万人の視聴者にリーチする可能性があります。"