核心概念
大きな遅延広がりを持つチャネルにおいて、従来のチャネル推定手法では推定が失敗するため、2段階のチャネル推定手法を提案し、低複雑度のMRC検出アルゴリズムを修正することで、OTFSシステムの性能を改善する。
要約
本論文では、大きな遅延広がりを持つオーバースプレッドチャネルにおけるOTFSシステムのチャネル推定と検出について検討している。
まず、2段階のチャネル推定手法を提案している。第1段階では、遅延-ドップラー(DD)領域のパイロットを用いて、エイリアシングされた遅延とドップラーシフトを推定する。第2段階では、時間領域のデュアルチャープ相関を利用して、実際の遅延とドップラーシフトを推定する。これにより、同一のエイリアシング遅延を持つ複数のパスの区別が可能となる。
さらに、オーバースプレッドチャネルに適応した低複雑度のMRC検出アルゴリズムを提案している。シミュレーション結果より、提案手法はチャネル推定の精度が高く、BER特性も良好であることが示されている。
統計
提案手法のNMSEは、パイロットSNRが30dB以上で-40dBに収束する。
提案手法のBERは、SNRd=14.5dB、20dB、14.1dBでそれぞれ2×10-4が達成できる。
引用
"大きな遅延広がりを持つチャネルでは、従来のチャネル推定手法では推定が失敗する。"
"提案する2段階のチャネル推定手法により、同一のエイリアシング遅延を持つ複数のパスの区別が可能となる。"
"オーバースプレッドチャネルに適応した低複雑度のMRC検出アルゴリズムを提案している。"