本研究では、ウェアラブルセンサーを用いた人間活動認識(HAR)の課題に取り組んでいる。従来のTransformer系モデルは大規模なパラメータ数を有し、リアルタイムの活動認識に適さないという課題がある。そこで本研究では、より軽量で効率的な選択的状態空間モデル(SSM)であるMambaをベースとした新しいモデルHARMambaを提案している。
HARMambaでは、センサーデータを個別のチャンネルに分割し、パッチ単位で処理する。各パッチにはポジション埋め込みを適用し、双方向のSSMブロックでモデル化する。これにより、センサーデータの時系列依存性を効率的に捉えつつ、Transformerモデルに比べて計算コストと記憶容量を大幅に削減できる。
提案手法は4つの公開データセット(PAMAP2、UCI、UNIMIB、WISDM)で評価され、既存手法を上回る高い認識精度を達成している。特に、パラメータ数とFLOPsの観点でTransformerモデルを大きく上回る効率性を示している。これにより、提案手法がリアルタイムの活動認識アプリケーションに適していることが確認された。
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