本研究では、超音波検査中のプローブと患者の体の相互作用を制御するための新しい可変インピーダンス制御手法を提案している。
まず、事前に患者の体の粘弾性特性を推定する。これは、ロボットアームを用いて体表面を動的に押し付け、力センサで測定した力と変位の関係から、Hunt-Crossley モデルのパラメータを同定することで行う。得られた粘弾性パラメータマップは、ガウシアンプロセス回帰によって滑らかに補間される。
次に、この粘弾性情報を利用して、リアルタイムで最適なインピーダンス制御パラメータを計算する。最適化問題は二次計画法で定式化され、物理的制約と安全性制約(エネルギータンクによる受動性の確保)が組み込まれている。
2つの可変インピーダンス制御戦略を提案している。1つは目標力一定方式(VS-CF)で、最小力を組織の最大変位に応じて設定する。もう1つは目標変位一定方式(VS-VF)で、目標変位を一定に保ちつつ、最小力を組織の硬さに応じて設定する。
実験では、ダミー胸部での超音波検査を通じて、提案手法の有効性を示している。特に、患者の突発的な動きがある場合でも、安全性と力制御性能が向上することを確認している。
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