本論文は、大規模言語モデル(LLM)を利用して因果的意思決定を行うLLM4Causalを提案している。LLM4Causalは、ユーザーの質問を解釈し、適切な因果分析手法を選択して実行し、その結果を分かりやすく解釈するという3つのステップから成る。
ステップ1では、ユーザーの質問を分類し、必要な情報を抽出するために、Causal-Retrieval-Benchデータセットを用いてLLMを微調整する。ステップ2では、抽出した情報に基づいて適切な因果分析手法を選択し、実行する。ステップ3では、Causal-Interpret-Benchデータセットを用いて、分析結果を分かりやすく解釈するようLLMを微調整する。
提案手法は、5つの主要な因果的意思決定タスク(因果構造学習、平均因果効果推定、異質的因果効果推定、媒介効果分析、オフポリシー最適化)に対して評価され、ベースラインと比較して優れた性能を示した。特に、ステップ1の質問解釈とステップ3の結果解釈の精度が高く、エンドツーエンドでの性能も優れていることが確認された。
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