本研究では、ユビキチン特異的プロテアーゼUSP8がRabex5との相互作用により早期内分泌小胞(EE)に動員され、Rabex5の解離と同時にRab7のGEFであるSAND-1/Mon1の動員を促進することで、内分泌小胞の成熟過程を制御していることを明らかにした。
usp-50/usp8変異体では、Rabex5シグナルが増強される一方で、SAND-1/Mon1の内分泌小胞への局在が減少する。その結果、大型のILV(intraluminal vesicle)を含む異常な内分泌小胞が蓄積し、リソソーム構造が未発達になる。
USP8の動員はRabex5との相互作用に依存しており、Rabex5のユビキチン化状態の変化を介してRabex5の内分泌小胞からの解離と、SAND-1/Mon1の動員を促進する。これにより、Rab5からRab7への切り替えが促進され、内分泌小胞の成熟が進行する。
usp-50/usp8変異体とsand-1変異体では、早期内分泌小胞の肥大化と後期内分泌小胞/リソソームの縮小という極めて類似した表現型が観察された。さらに、Rab7の過剰発現によりusp-50変異体の早期内分泌小胞肥大化が抑制されたことから、USP8はRab5シグナルの抑制とRab7シグナルの促進を通じて内分泌小胞の成熟を制御していると考えられる。
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