Belangrijkste concepten
本稿では、医療用線量測定や低エネルギーX線検出に適した、金属接触を用いない、あるいはグラフェン層を備えた新規SiC放射線検出器の特性評価について述べています。
Samenvatting
論文情報
Lopez Paz, I., Fleta, C., Rafí, J. M., Rius, G., Godignon, P., Pellegrini, G., ... & Guardiola, C. (2024). Characterisation of SiC radiation detector technologies with synchrotron X-rays. Journal of Instrumentation, 19(12), P12013.
研究目的
本研究は、スペインのマイクロエレクトロニクス研究所(IMB-CNM)で開発された、異なる構成のシリコンカーバイド(SiC)放射線検出器の性能を、ALBAシンクロトロン施設のBL13-XALOCビームラインを用いて評価することを目的としています。
方法
- 3 µmおよび50 µmのエピタキシャル層を持つ4H-SiCダイオードを、異なる金属接触およびグラフェン層を用いて作製しました。
- これらの検出器を、4.6~23 keVの範囲で調整可能な単色X線ビームを備えたXALOCビームラインに設置しました。
- ビームサイズを50×50 µm2に集光し、減衰器を用いてビーム強度を変化させました。
- 検出器の応答は、カスタムメイドのALBA Em電位計を用いて、0 Vのバイアス電圧で測定しました。
主な結果
- 50 µmエピタキシャルダイオードは、3 µmのものと比較して、より高い感度を示しました。これは、0 Vにおける活性体積の違いによるものです。
- 金属接触を有するダイオードは、金属を含まないダイオードと比較して、光電効果による応答の増加を示しました。これは、金や白金などの高原子番号金属の存在に起因すると考えられます。
- グラフェン層を接触材料として用いたSiCダイオードは、金属接触を用いたダイオードと比較して、低エネルギーX線に対してより低い応答性を示しました。
- すべてのSiC検出器は、広いビーム強度範囲において良好な線形性を示しました。
- 3 µmエピタキシャルデバイスは、電流収集が注入領域全体で行われた場合でも、均一な応答を示しました。これは、医療用線量測定などの用途において、金属の必要性をなくすことを示唆しています。
結論
本研究の結果は、IMB-CNMで製造されたSiC放射線検出器が、医療用線量測定や低エネルギーX線検出などの用途に適していることを示しています。特に、グラフェン層を接触材料として用いたSiCダイオードは、従来の金属接触を用いたダイオードと比較して、低エネルギーX線に対する感度が低いため、正確な線量測定に適しています。また、3 µmエピタキシャルデバイスは、金属接触を必要としないため、製造プロセスを簡素化できる可能性があります。
今後の研究
- 放射線照射後のSiC検出器の長期安定性に関するさらなる研究が必要です。
- 異なるエネルギーのX線に対するSiC検出器の応答を詳細に調査する必要があります。
- SiC検出器の性能を向上させるために、異なる接触材料や構造を検討する必要があります。
Statistieken
4H-SiCの電子正孔対生成に必要なエネルギーは7.8 eVです。
X線ビームエネルギーは4.6~23 keVの範囲で調整可能です。
ビームスポットサイズは50×10~300×300 µm2です。
SiC-Graphene50umとSiC-Metal50umの活性深度は約7 µmです。
Citaten
"The presence of some metals such as Au has the effect of increasing the dose reaching the active area of the device when applicable."
"The 3 µm epitaxial devices have shown a uniform response consistent to similarly fabricated detectors [17], even in the case where the current collection is done across the implantation, removing the need of metal in the inner region."