本研究では、不規則にサンプリングされた時系列データ(IMTS)の予測のために、Functional Latent Dynamics (FLD)と呼ばれる新しいモデルファミリーを提案している。FLDでは、潜在状態を単純な曲線関数で表現し、観測値のみから曲線の係数を学習する。これにより、従来のODE(常微分方程式)ベースのモデルと比べて、計算効率が高く、欠損値にも柔軟に対応できる。
実験では、4つの既存ベンチマークデータセットを用いて評価を行った。その結果、FLDは最先端のIMTS予測モデルと同等の予測精度を達成しつつ、推論時間を大幅に短縮できることが示された。特に、最も正確なFLDバリアントは、ODE系モデルの最良モデルを7つのタスクで上回った。
また、合成データを用いた実験では、FLDが非線形な時系列も正確に学習できることが確認された。今後の課題として、異なる種類の曲線関数を組み合わせる方法や、確率的な予測への拡張などが考えられる。
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