本研究では、量子機械学習手法を金融分野の2つの課題に適用し、その有効性を示した。
顧客離脱予測の課題では、決定木アンサンブルモデルにデターミナント点過程(DPP)サンプリングを組み合わせることで、従来モデルに比べて精度を約6%向上させた。また、サンプリング時間の短縮が課題となるが、量子コンピューターを用いることで改善が期待できる。
信用リスク評価の課題では、直交層や複合層を持つ量子ニューラルネットワークを提案した。これらの手法は、従来の全結合ニューラルネットワークと同等の性能を示しつつ、パラメータ数を大幅に削減できることを示した。さらに、量子ハードウェアを用いた推論実験では、ノイズの影響を受けるものの、従来手法と遜色ない結果が得られた。
今後、量子ハードウェアの性能向上に伴い、提案手法のさらなる性能向上が期待できる。
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