Grunnleggende konsepter
本稿では、高い周波数選択性と電力処理能力が求められる商業・軍事・過酷環境用途に向けて、SiC上に集積された高性能フィルタリング用途に有望な、ScAlNとSiCを用いた、Kuバンドで動作する固体実装2次元モード共振器(S2MR)について報告する。
Sammendrag
本稿は、約16GHzで動作するナノ音響固体実装2次元モード共振器(S2MR)に関する研究論文である。
論文情報: Colombo, L., Spagnuolo, L., Saha, K., Giribaldi, G., Simeoni, P., & Rinaldi, M. (2017). ScAlN-on-SiC Ku-Band Solidly-Mounted Bidimensional Mode Resonators. GENERIC COLORIZED JOURNAL, XX(XX).
研究目的: Kuバンド(12~18GHz)において高性能なフィルタリングを実現するため、高い機械的品質係数(Qm)と電気機械結合係数(k2t)を有する、SiC上に構築されたScAlNを用いたS2MRの設計、製造、特性評価を行う。
方法:
- 30%スカンジウムドープ窒化アルミニウム(ScAlN)薄膜を、反応性スパッタリング法を用いて、4インチのSiC基板上に堆積させた。
- 電子ビームリソグラフィーとリフトオフプロセスを用いて、ScAlN薄膜上にアルミニウム(Al)製の櫛型電極を形成し、S2MRを作製した。
- 作製したS2MRの周波数応答を、ベクトルネットワークアナライザを用いて、実験室環境下(T = 293 K)で測定した。
- 測定結果を修正バターワース・バン・ダイク(MBVD)等価回路モデルにフィッティングすることで、S2MRの等価回路パラメータを抽出した。
主要な結果:
- 作製したS2MRは、16GHz付近で共振し、最大3dB品質係数(Q3dB)は277、機械的品質係数(Qm)は380、電気機械結合係数(k2t)は4.5%、性能指数(FOM = Qm * k2t)は17という高い値を示した。
- S2MRは、入力電力20dBmまで安定して動作し、品質係数の劣化は見られなかった。
- S2MRの周波数温度係数(TCF1)は、-40 ppm/Kと測定された。
結論:
- 本研究で開発されたScAlN-on-SiC S2MRは、Kuバンドにおいて、固体実装共振器として最高の性能指数(KPI)を示した。
- 高いQm、k2t、FOM、電力処理能力を有することから、SiC上の高出力電子機器とモノリシックに集積できる可能性を示し、高い周波数選択性と高い電力処理能力を必要とする商業、軍事、過酷環境用途に有望である。
意義: 本研究は、Kuバンドにおける高性能フィルタリング用途に向けた、ScAlN-on-SiC S2MRの設計と特性評価に関する貴重な知見を提供するものである。
制限と今後の研究:
- 本研究では、S2MRの温度特性については、TCF1のみを評価した。動作温度範囲における共振周波数と品質係数の変動など、より詳細な温度特性評価が必要である。
- S2MRの長期信頼性評価は、今後の研究課題である。
Statistikk
機械的品質係数 (Qm): 380
電気機械結合係数 (k2t): 4.5%
性能指数 (FOM): 17
動作周波数 (fs): 16 GHz
入力電力: 20 dBm
周波数温度係数 (TCF1): -40 ppm/K
ScAlN膜厚 (h): 250 nm
Al電極厚 (tm): 50 nm
音響波長 (λ): 400 nm
Scドーピング濃度: 30%
Sitater
"To the best of the authors’ knowledge, S2MRs exhibit the highest Key Performance Indicators (KPIs) among solidly mounted resonators in the Ku band, paving the way for the monolithic integration of nanoacoustic devices with high-power electronics on SiC for commercial, military, and harsh-environment applications requiring sharp frequency selectivity and high power handling."