本研究では、カナダ北西準州のグレーオオカミ159頭から採取した脾臓サンプルを用いて、キツネサーコウイルスの分子疫学を調査した。
全体として、72頭(45.3%)が陽性であった。性別、年齢、年次、および地域間で感染率に大きな差はなかった。また、キツネサーコウイルス感染と体格指数との関連は認められなかった。
一方で、キツネサーコウイルス陽性個体では、犬パルボウイルス2型(CPV-2)およびキャニンバフウイルス(CBuV)の重複感染率が有意に高く、キツネサーコウイルス感染がこれらのウイルス感染のリスク因子となることが示唆された。
遺伝子解析の結果、検出されたキツネサーコウイルスは高い遺伝的多様性を示し、4つの主要系統が確認された。これらの系統は地理的に分離されており、同一地域内でも複数の系統が共存していた。また、ヨーロッパと北アメリカの株が混在していることから、これらの系統の起源は両地域の分離以前に遡ると考えられた。
以上より、グレーオオカミはキツネサーコウイルスの重要な保菌宿主であり、これらウイルスが野生動物集団で長期的に維持されていることが示唆された。一方で、犬におけるキツネサーコウイルスの検出例がないことから、犬への感染は稀であると考えられる。
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biorxiv.org
Kluczowe wnioski z
by Canuti,M., K... o www.biorxiv.org 03-08-2024
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