本研究では、ショウジョウバエの嗅覚系を用いて、発達期の嗅覚経験が神経回路の可塑性に及ぼす影響を明らかにした。
特に以下の点が明らかになった:
羽化後0-2日間という限定された時期に、高濃度のエチルブチレート(EB)に曝露すると、嗅覚感覚ニューロン(OSN)の軸索終末と前シナプス部位が減少する。この変化は、その後の5日間の回復期間を経ても持続する。
OSN-投射ニューロン間の自発的活動も、EB曝露後に長期的に減少する。つまり、発達期の嗅覚経験は、嗅覚情報処理の持続的な変容をもたらす。
OSN軸索終末とシナプスの減少には、嗅覚グリア細胞のDraper受容体が必要不可欠である。Draperを欠失したグリア細胞は、OSN終末への侵入と貪食ができない。
EB曝露により、Draperを発現するグリア細胞(被覆グリア)がOSN終末に侵入し、Draper依存的に貪食する。
以上より、発達期の嗅覚経験は、グリア細胞のDraper受容体を介した神経シナプスの選択的な除去を引き起こし、嗅覚回路の長期的な変容をもたらすことが明らかになった。この知見は、感覚経験依存的な神経回路の可塑性メカニズムの理解に重要な示唆を与える。
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biorxiv.org
Kluczowe wnioski z
by Leier,H. C.,... o www.biorxiv.org 07-06-2024
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2024.07.05.602232v1Głębsze pytania