Główne pojęcia
本稿では、時系列データの長期予測において、従来のTransformerベースのモデルに比べ、計算量を削減しつつも高い予測精度を実現する、Mambaアーキテクチャに基づく新しい基盤モデル「TSMamba」を提案する。
論文情報
Haoyu Ma, Yushu Chen, Wenlai Zhao, Jinzhe Yang, Yingsheng Ji, Xinghua Xu, Xiaozhu Liu, Hao Jing, Shengzhuo Liu, and Guangwen Yang. "A Mamba Foundation Model for Time Series Forecasting" arXiv preprint arXiv:2411.02941 (2024).
研究目的
本研究は、時系列予測において、従来のTransformerベースのモデルが抱える計算量の課題を克服し、大規模データセットを用いた事前学習の恩恵を受けられる、効率的かつ高精度な基盤モデルの開発を目的とする。
手法
本研究では、状態空間モデル(SSM)の一種であるMambaアーキテクチャを採用し、時系列データの長期依存性を効率的に捉える新しい基盤モデル「TSMamba」を提案する。TSMambaは、順方向と逆方向のMambaエンコーダを組み合わせることで、時系列データの双方向的な依存関係を捉え、高精度な予測を実現する。さらに、大規模言語モデル(LLM)の事前学習で得られた知識を活用する2段階の転移学習手法を採用することで、計算コストを抑えつつ、効率的に時系列データに適応させる。また、チャネル間の依存関係を捉えるために、圧縮チャネルワイズアテンションモジュールを導入し、特定のデータセットに対するファインチューニング時に、チャネル間の関係性を効果的に学習する。
主な結果
TSMambaは、従来のTransformerベースのモデルに比べ、計算量が線形であるため、長い時系列データに対しても効率的に処理を行うことができる。
2段階の転移学習手法により、大規模データセットを用いた事前学習の恩恵を受け、少ない学習データでも効果的に時系列データに適応することができる。
圧縮チャネルワイズアテンションモジュールにより、チャネル間の依存関係を効果的に捉え、予測精度を向上させることができる。
結論
TSMambaは、時系列予測において、計算効率と予測精度の両面において優れた性能を発揮する。特に、長期予測や、学習データが少ない場合においても、高い予測精度を実現できることが示された。
意義
本研究は、時系列予測における基盤モデルの開発に新たな道を切り開き、様々な分野における応用が期待される。
限界と今後の研究
本研究では、公開されている中規模の時系列データセットを用いて評価を行ったが、より大規模なデータセットを用いた評価が必要である。
圧縮チャネルワイズアテンションモジュールの効果については、更なる調査が必要である。
Statystyki
TSMambaは、従来のTransformerベースのモデルに比べ、平均で15%の性能向上を達成した。
TSMambaは、最先端のタスク特化型時系列モデルであるPatchTSTよりも優れた性能を発揮した。