本論文は、研究を通じたデザイン(RtD)における形成的状況の活用を提案している。多くの現在の評価アプローチは、デザインプロトタイプが最終的に完成し、実験室や野外での堅牢な試験に備えられていることを前提としている。しかし、デザインプロセスの中間段階でも、中程度の忠実度のプロトタイプを評価することは価値がある。これにより、デザインプロセスを情報提供するだけでなく、研究コミュニティにとっても有益な知識を得ることができる。
著者らは、「形成的状況」という概念を提案する。これは、中程度の忠実度のプロトタイプを、人工的な状況と現実世界の状況の中間的な文脈で評価するものである。形成的状況には、従来の総括的評価で用いられる検証済みの尺度や方法を活用しつつ、状況に応じた暫定的な尺度や方法も含まれる。また、デザイナー-研究者の適切な位置づけや、参加者の積極的な役割も重要である。
著者らは、形成的状況を評価するための5つの基準を提示している。1)RtDの研究課題に適合していること、2)関連する最良の実践に基づいていること、3)プロトタイプの暫定性に見合った重みがあること、4)デザイナーに適切な位置づけを与えること、5)参加者に積極的な役割を与えること。これらの基準に基づいて、形成的状況の妥当性を評価することを提案している。
最後に、著者らは、RtDコミュニティにおいて、総括的評価だけでなく、形成的評価も受け入れられるよう、議論を呼びかけている。形成的評価は、デザイン知識の共有や、研究と実践の橋渡しに役立つ可能性があるという。
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by Raquel B Rob... às arxiv.org 04-03-2024
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