本論文では、長期的に影響の大きいレコードに対しても、プライバシーを保護しつつ有用な統計を公開する方法を提案している。
従来の差分プライバシーの手法では、影響の大きいレコードに対するプライバシー保護が急速に劣化してしまうという問題があった。特に経済データのように、一部のレコードが極端に大きい場合にこの問題が顕著になる。
そこで本論文では、「ゆっくり縮小するメカニズム」と呼ばれる新しい手法を提案している。これらのメカニズムでは、レコードの影響度に応じたプライバシー保証が、対数的に緩やかに劣化するようになっている。具体的には、変換メカニズムと加算メカニズムの2つのクラスを提案している。
変換メカニズムでは、クエリ結果を変換関数に通した後にガウス雑音を加え、変換関数を逆変換することで、プライバシー保証が対数二乗のペースで劣化する。加算メカニズムでは、より裾の広い分布から雑音をサンプリングすることで、プライバシー保証が対数のペースで劣化する。
これらのメカニズムを実データに適用し、従来手法と比較して有用性を実証している。長期的に影響の大きいレコードに対しても、プライバシーを保護しつつ有用な統計を公開できることを示している。
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