本研究では、3種類の複雑濃縮合金(AlTiNbMoV、AlTiNbTaZr、AlTiNbMoCr)の相組成を実験的に調べ、さまざまな予測手法との比較を行った。
まず、これらの合金をブレンド粉末冶金法により作製し、1400°Cで長時間の均質化処理を行った。その結果、AlTiNbMoVとAlTiNbMoCrは単相の固溶体微細組織を示したのに対し、AlTiNbTaZrには Al3Zr5系の金属間化合物が存在することが分かった。
次に、これらの相組成を予測するための手法として、簡易経験式パラメータ(原子半径差、電気陰性差、Ω、φ、Φ、κ1)と熱力学計算(CALPHAD法)を用いて検討した。その結果、いずれの簡易パラメータも3種類の合金の相組成を正しく予測できなかった。一方、CALPHAD法は一定の精度で相組成を予測できたが、データベースの限界から一部の相を正しく予測できないことが明らかになった。
本研究により、複雑濃縮合金の相組成を正確に予測するには、簡易パラメータでは不十分であり、より詳細な熱力学計算が必要であることが示された。ただし、CALPHAD法にも一定の限界があり、データベースの改善が課題として残されている。
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