本論文では、自由半群の自由積における自己相似性の保存に関する結果を示している。
主な内容は以下の通り:
部分自動機を用いて、自由半群の自由積が自己相似的な半群となるための条件を示した。具体的には、片方の半群から他方の半群への準同型写像が存在すれば、その自由積は自己相似的な半群となる。
この結果は、先行研究よりも一般化されたものであり、準同型写像の存在は、片方の半群に冪等元が存在する場合や長さ関数が存在する場合などの条件を満たせば成り立つ。
構成法自体から、任意の自己相似的な半群に新たな自由生成元を付加しても自己相似性が保たれるという結果も得られる。
一方で、自己相似的な半群の自由積が自己相似的であるかどうかの問題は未解決のままである。この問題を解決するためには、準同型写像が存在しない自己相似的な半群の組を見つける必要がある。
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